終戦直前の昭和天皇『ヒロヒト』を描いている作品です。天皇陛下の孤独と苦悩が心に刺さりました。“神の子”とされていた天皇は、家族だけではなく、国、国民…すべてのものを守らなければならない。一人で悩み、一人で考え、一人で決断し、実行する。それでも叶わないことがある。その重圧に耐えてきた天皇家というのは、どれほどの精神力だったのでしょうか。
最後に皇后が疎開先から皇居に戻り、二人きりになったときに彼女の胸に顔をうずめる陛下。今でこそ、天皇を“神の子”と信じている人はほとんどいないでしょうが、2人にならなければ人として生きられなかった彼の苦しみ、悲しみを感じたシーンでした。「人として生きたい」彼のその思いはどんなに大きなものだったでしょうか。
「僕を愛してくれるのは、皇后と子どもたちだけです…」私は皇室が好きなので、「そんなことはないですよ!」と心の中で叫んでしまいましたが、たわいもない会話をすることもなく、気持ちを理解してもらえることもない孤独感というのは、言葉に表せないほど辛く、悲しいことですね。
天皇陛下役のイッセー尾形さんの演技は素晴らしく、「あっそう…」という昭和天皇の口ぐせで、私が小さい頃テレビで観ていた天皇陛下が蘇ってきました。天皇陛下、皇室…というのは、日本文化の象徴だと私は思います。日本人として、大切にしていきたいものの一つです。
